2024-02-02 ~『 赤いブナの木 』 ヘルマン・ヘッセ ~ 赤いブナの 若木が たっていた ぼくの 初恋のときに ぼくが はじめて うたをかいたときに 若木はみていた ぼくがなにをかくか 赤いブナほど 春の花のなかで 贅をつくす 木は ない これほど 多彩な 夏の夢をみて これほど いちはやく 枯れしぼむ木もない 赤いブナの 若木が たっている ぼくのみる 夢という夢に 過ぎ去った 五月が 木々のなかで ぼくの好きなこの木にそよぐ ~『 赤いブナの木 』 ヘルマン・ヘッセ ~